お世話になった人が亡くなるのは悲しいね。ふとした瞬間に「あ、これはあの人に相談しよう」と思うと同時に「あ、亡くなったんだ」と。この言葉にしにくい感覚が辛い。
人生の中でキーマンになる人って、誰にも居ると思う。ある種の「ターニングポイント」に出会う人。
ターニングポイントで出会ったから、その人を忘れられ無いのか、その人に出会ったからターニングポイントになるのかは分からないね。
札幌で出会った玉木さんは、若手のチャレンジャーを応援してくれる人だった。経済的に有り余る感じでは無いと思うけれど、面白がっていろんな人を巻き込んで、今でいうシェアオフィスを作ったり、飯を奢ってくれたり。パソコンやカメラなどの機材もシェアオフィスで使える様に揃えてくれた。
「なんでそこまでしてくれるんですか?」と聞いたことがある。
玉木さんにもそういう立場の人が居たらしい。社会に対して右も左もわからずに彷徨う年代、それでも無駄に反発したり頑固になったり、知らないからこその怖いもの知らず。そんな時に面白がって応援してくれた人がいたらしい。
玉木さんもその人に同じことを聞いたら、その人も同じことがあったのだと。そうグルグル巡っている状況だったんだよね。
そこそこの立場になった時、玉木さんはその人に「どうやって恩返しをすれば良いのか?」と聞いたらしい、すると「お前は俺の世話になった人間。お前が俺に恩返しなど烏滸がましい。代わりに、お前が面白いと思った人間を同じように応援すりゃ良い。それしかお前にはできない」と。
結局、玉木さんに何も返せないまま。僕が東京に戻って2年くらいで訃報を聞いた。
恩を返せるとは思わないけれど、でかい人でした。いや本当デカイよ。
40歳も近くなると、亡くなる知り合いも増える。いろいろ残念なのだけど、大切なのは色々なループを閉ざさないこと。まだまだ何も出来てないし、無力を感じることは多いけれど、それでも何かしらそういう形で返さねばと思うのですよ。
これは結構大変なタスクなのですわ。